【読書メモ】『株式ディーラーのぶっちゃけ話』 高野 譲 (著)

   

会社員としてデイトレードする人々の戦い

『ぶっちゃけ話』なんていうタイトルだから、株式ディーラーの知られざる日常をいろいろな観点で切り出して紹介するタイプの本だと思ったら、意外と小説のようにストーリーを感じられる内容だった。しかもこの著者は現役株式ディーラーということだが文章がうまい。ハードボイルドな文体の割に、根は優しい感じの著者に好感を持った。

ちょっと普通では無いトレーダーの世界とそこに集う人々のドラマがとても味があり、この内容をベースに小説として仕上げれば『麻雀放浪記』並の名作になると思う。特にアルゴリズム売買と戦うエピソードは短いながらも感動した。

もちろんタイトルの通り、株式ディーラーに関する情報も興味深いものが多く語られており、株の売買をしたことがある人であれば間違いなく楽しめる。

それにしてもこの分野も将来は人工知能に持って行かれそうだな。

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